資産が多すぎて相続で悩む
お金を遺しすぎてしまう!という不安
富裕層だからといって、お金の心配がないわけじゃない。むしろ、お金がないときよりも、お金の不安は増えるかもしれない。大きな財産を扱うのは想像以上に大変で、管理のノウハウが必須だからだ。
なので、「財産を多く残しすぎる」ことを不安に思ってる人はかなり多い。お金を持ちすぎていることが、悩みのタネになってるんだな。
「富裕層はたくさんの財産を残すのが不安でしょうがない」というのは、僕の体感だけではなく、実際に調査した結果もあるようだった。それによると、およそ7割以上が「財産を残しすぎる」ことに不安を覚えているらしい。
その理由はさまざまだ。自分の子どもや孫に食いつぶされそうとか、子どもたちが駄目になりそうとか、相続させたいけど相手に財産管理のノウハウがないとか、あんな奴らに渡すくらいなら全額寄付したほうがマシだと思ってるとか。
無条件で財産を相続しない
じゃあ、相続人に財産を引き継ぐことが不安でしようがない富裕層がどんな対策を取っているかというと、「相続するための条件を設ける」という実に単純な方法を採用している。
遺産が欲しければこの大学を出ろ、家業を継げ、医師免許を取れ、もしくは事業でこれだけのキャリアを築いてみせろといった条件を与えるんだな。これは多かれ少なかれ、資産持ちであれば誰でもやっていることなのだと思う。
ちなみに、僕にもこの経験はあって提示されたことがあって、学歴を条件に課された。家業を継げとは言われなかったが、ちゃんとした大学を出ろと言われた。
子どもの成長をのんびり待っていられる親ばかりじゃないが、異常な短気にも見えるほど成果を重視する資産家にとってはなおさら、子どもの成長はのろすぎて危機感すら覚えるのかもしれない。これは僕の主観でしかないけど。
金持ちの親だからとはいえ、黙っていても遺産が入ってくるという境遇の人はあまりいないように思われる。いたとしても、それはあまり幸福なことではなさそうだ。
だって、常に親や親族の顔色を伺わなければ、生活ができなくなる可能性があるってことだからな。口出しされるくらいならまだしも、誰かに人生の決定権を委ねるなんて嫌すぎる。自分で生計を立てていくほうが、時間はなくなるかもしれないがよっぽど自由だ。
たぶん、親たちもそう思ったことがあるんじゃないかな。相続に条件を設けるのは、財産を守るためではあるけど、自力で生活できるだけの力を手に入れたほうが楽しいぞという親心もあるのかもしれない。