1. >
  2. >
  3. 医師になること
医師たち
富裕層の夢

医師になること

親の年収と子どもの学歴の関係性

医者を目指す人と親の年収に因果関係はないが、親の年収は子どもの学歴と比例する要素の一つと言われる。

例えば、東京大学が行なった「2020年度 学生生活実態調査」では、東大生の家庭の平均世帯年収は1,050万円以上だったと公開されている。医者には学歴が必須であるため、親の年収の高さと医者を志す割合には、因果はないが相関関係くらいはあるだろう。

自身の親が医者をしていて、働く姿を間近で見たことがあるという人もかなりいる。富裕層として生まれた子どもが憧れを抱く職業の中に、「医者」が多いのも不思議ではないだろう。

意識調査によると、親の影響で「医者になりたい」と思った人は全体の4分の1を超えており、その中でも開業医の3割が「親の影響を強く感じる」と感じているようだ。ちなみに、看護師の場合はそのようなことはないばかりか、親の影響はほとんどないという人が3分の2を占める結果となったようだ。

親の接し方と子どもの興味が影響する

どんな職業にも言えることかもしれないが、親の影響は多大だ。

親の影響といってもいくつかある。もともとは別の職業を志していたが、周囲から「医者になれ」というプレッシャーを受けて、本人の学力も伴っていたために医者になれたケースはよく聞く。親やその周囲がすでに医者をしており、子どもが後継者として見なされていれば、高校辺りからそういうプレッシャーを感じることもあるだろう。もしくは、他に志していた職業では食っていけないと諭され、医者を勧められたというケースもある。

あるいは、親の後姿を見て医者を目指した人もいる。親が堂々と働く姿を見て、医者は嫌な仕事ではないのかもしれないという意識が芽生え、だんだん「自分もああなりたい」と思いはじめたというケースだ。

自分自身が医者に助けられて医療の道を志したという人もいれば、親や周囲の知人・友人が病気で不自由をしている姿を見て、どうにかしてあげたいと思ってから医療に興味を持ったという人もいる。

趣味が高じて医者を目指した人もいる。漫画のブラックジャックにハマって医療に興味を持ったという子どもは少なくないだろう(僕もそうだった)。家にあった解剖学の書籍に惹かれたり、レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンに惹かれたという、文化や芸術を入口にすることも珍しくない。

直接的であれ間接的であれ、特定の職業を勧めていようがそうでなかろうが、親の接し方、教材の与え方、仕事への向き合い方などが、総合的に子どもの職業選択に多大な影響を与えるのは間違いないと思う。