早めの失敗は大歓迎
富裕層といえば順風満帆の人生を送ってきたように見えるかもしれない。
しかし、富裕層は多くの失敗を経験している。むしろ、一般人より失敗の数は多いのではないだろうか。
失敗話を聞くと、失敗に対して落ち込み、辛く悲しいという印象はなく、生き生きと話してくれるのがほとんどだ。
理由を聞くと「失敗はもちろんしたくないが、失敗するなら早めがいい。影響が少ないからだ。」という。
例えば、運用資産の50%を失った場合。
運用資産が1,000万円のタイミングであれば、損失は500万円で済むが、運用資産を1億円に増やした後、失敗してしまうと5,000万円もの大金を失ってしまう。
これはよくある話で、定年を迎えた投資未経験者が退職金を元手に株式投資を行い、失敗してしまうケースがある。
富裕層の失敗に対する思考に沿うのであれば、定年前に小額の投資を行い、小さな失敗を経験したうえで、退職金を運用すべきだろう。
早めに失敗することで挽回できる期間を長くできる
早めに小さな失敗をすることで、将来に好影響を与える気づきのタイミングは、残りの人生に大きな影響を与えるのだ。
積極的に失敗を受け入れる富裕層の中には、「年齢を重ねるにつれ、失敗で失うものが増えても、成功して得られるものは少なくなる」と考えている人がいる。
この考えは金融投資に置き換えると理解しやすいだろう。
例えば30代のときに300万円の損失はまだまだ取り返しはきくので失うものは少なく、逆に300万円の利益が出た場合、お金の使い道や得られた経験も多い。
これが70代になると300万円の損失は、他に収入がなければ取り返しがつかなくなる。300万円の利益があっても健康上の不安からお金の使い道や得られた経験値も少ない。
このように年齢を重ねての投資は効率が悪くなっていく。
後回しはやめよう
多くの人は将来の夢について質問すると「もう少しお金が貯まったら」「もう少し時間に余裕ができたら」など、前提条件を持っている人は少なくないだろう。
しかし、富裕層の思考パターンに沿うと家族や他人に迷惑をかけることがなければ、前提条件を作って先延ばしにすることはない。
なぜなら、最も若い今が、何を経験するにしても投資効率が高いからだ。失敗しても挽回できる期間も残っている。
考えようによってはお金を使うことで、効果的に失敗を経験しているといえるだろう。
始めて当初から上手くいくことはあるかもしれないが、早めに失敗して学習することで、その後の人生にとって大きな経験となるはずだ。