意外とケチなのか?
なぜ財布の紐を締める金持ちがいるのか
買い物に行くのも、健康に配慮した食事を作るのも、掃除をするのも、ハウスキーパーさんに依頼すればやってくれる。買い物だって外商に頼めば呼べばセンスのいいものをすぐに揃えてくれる。時間をお金で買う人もいるし、わざわざ自分で買い物をする必要があまりない。
一方で、自分が納得できないもの、自力で無料にできるものについては、絶対に金を出さないという人もいる。
身近な例でいえば、親父がこのタイプだ。傍目から見ると「あんなにお金を持っているのに、なんで金にうるさいんだろう?」というギャップが、金持ちをケチっぽく見せているのかもしれない。
まあ趣味人でもあるんで「なんであんなものに金を使っちゃうのか?」ってところもあるけど。
とにかく、資産家はお金持ちであり続けるために、金を守る方法を必死で勉強せざるを得ない。家族をビジネスパートナーとみなすし、後継者もきっちり育てなければならない。
さもないと、せっかく築き上げた資産を失ってしまうという不安があるんだろう。
資産家には3種類いる。金を増やすのがうまいか、金を守るのがうまいか、その両方がうまいか。
お金は増やすよりも守る方が大事
金遣いの荒い資産家はたいてい金を増やすのがうまい人だ。一代で成り上がった敏腕経営者が多い。
でも、増やすのがうまいだけではいずれ立ち行かなくなる。
具体的には、2〜3代目あたりが資産をドブに捨ててしまうんだ。
専門家に会社を任せっきりにして大赤字を叩き出すとか、うっかり脱税して罰金を持っていかれるとか、やりたいだけの商売やって大コケするとか、FXとか仮想通貨とかデリバティブ取引に手を出して遺産を溶かすとか。そんな話はぜんぜん珍しくないな。
節約の動機は金じゃなくて「時間」
財布の紐をきっちり締めて生活するのは、お金に困っている人という印象があるだろうか?
節約とは貧乏な人がするものという認識が広まっているから、金持ちがせっせと節約しているのが信じられない気持ちになっているのかもしれない。
でも、ちょっと考えてみてほしい。スーパーの食材でご飯を作ると安上がりだが、少なく見積もっても1時間はかかる。毎日クタクタになって帰ってくる人が、そんなことを続けてられるか?
お金がないのと貧乏は少し違う。貧乏ってのは金がないことじゃなくて、「支出を抑える余裕がない状態」のことだ。スーパーで1食10円の袋麺を買った方が安いのに、コンビニで1個100円のカップラーメンを買ってしまう状態といったらいいかな。忙しすぎて節約のために食費を抑えるという気力がない。そうなると外食も増えるし、出費も増える。
節約をする動機は、お金ではなく時間なんだ。
だから、金に苦しんでいようが、忙殺されていれば節約に精を出すのが難しい。そういう時間を作れるのは、専業主婦(主夫)か、家事そのものが趣味になってるか、時間が有り余ってる金持ちくらいだ。
節約に対する誤解があるというのも、金持ちがケチに見える理由なのかもしれん。